ビジネスの成長を阻む、起こしがちなデータに関する6つの誤りと回避法

 データはあらゆるところに存在し、テクノロジーの進化を促し、ビジネスのあり方を変え、顧客であることの意味を変えています。しかし、多くの企業がまだデータを意識していない状態で、データドリブンの考え方に真に適応していません。

Deloitte Insightsによると、従業員が意思決定で実際にデータを活用していると確信が持てるエグゼクティブは、10人中たったの1人です。実際、企業の経営陣の60%近くが、既存のツールやリソースでは会社データの閲覧や利用すらできないと考えています。 

何がじゃまをしているのでしょうか。データはそこにあるのです。データからインサイトを得て、それを行動につなげることに、なぜこれほど多くの企業がいまだに苦労しているのでしょうか。 

企業がよく陥る最大のデータに関する誤りおよび対策の提案 

データに関する誤り1:並の程度のベンダーに大きく期待する

あまりにも多くの企業が、従来のBIツールから離れられずにいます。残念ながら、こうした万能型ツールを使い続けていると、モダンデータスタックの構築ができません。問題になるのは、従来のBIツールがデスクトップやシングルサーバーのアプリケーションに合わせて作られているため、最新のクラウドデータウェアハウスほどの拡張性がないということです。 

さらにまずいことに、旧来のBIベンダーは、ツール作成の際にデータに関する今日の課題を見通してはいませんでした。データの拡張性だけではありません。進歩的なデータドリブン企業がデータに求めようとするものにも対応できないのです。ダッシュボードやキューブ、抽出に関連して作られたツールは、ユースケースの数と内容が急増するにつれ機能しなくなります。 

対策

まだ対応していない場合は、まず、複数のデータサイロからクラウドデータウェアハウスへの移行に着手しましょう。重要なデータがバラバラな状態では、ビジネスユーザーが受け取るインサイトが断片的なものになってしまいます。 

次に、クラウドの柔軟性と機能を最大限に活用できる最善の組み合わせの分析ツールを慎重に選びます。ソリューションを探す際は、使いやすさ、クラウドネイティブであること、拡張性、既存の技術スタックへの統合が容易であることなどを重視してください。モダンデータスタックに適合する製品は、特にユーザーの使用性に配慮して作られています。高度な技術スキルを持たなくても、データを必要とするビジネスユーザーへ簡単にデータを提供できます。 

データに関する誤り2:データアナリストに依存し過ぎて、ビジネスユーザーに一方的な判断によるインサイトが提供される

Harvard Business Review(HBR)の調査によると、87%の組織が、現場の従業員にデータを活用させれば業績は向上すると考えています。しかし、実際に従業員にデータを活用させているのは、たった20%です。 

意思決定にデータ活用が必要となるたびに、ビジネスユーザーがデータアナリストに依頼しなければならないのでは意味がありません。双方にとって時間の無駄でしかありません。

一方、データアナリストの3分の2以上が、最大で50%の就労時間がダッシュボードのメンテナンスやカスタマイズしたレポートの提供に割かれているため、利益につながるアイデアを実行に移すだけの時間が十分に確保できないと回答しています。 

対策

データ分析チームにレポートや静的なダッシュボードを求めるのではなく、ビジネスユーザー自身が必要なデータを抽出できるようにします。そのためには、誰もが簡単に利用できるセルフサービス方式の分析ソリューションと統合された、信頼できる唯一のデータソース(Snowflake、Databricks、Google Big Queryなど)が必要です。言い換えると、データソースには以下が求められます。 

·       誰もが利用できる、直観的なコンシューマーグレードのユーザーインターフェイス

·       一般の検索エンジンに匹敵する検索機能 

·       ビジネスユーザーが普段使用しているコミュニケーションツールでレポートを共有できる、スピーディーなレポート機能 

·       データ専門家の手を借りずに、ユーザー独自の、詳細な質問に対する回答を見つけられるだけの柔軟性 

データに関する誤り3:静的なダッシュボードに依存して重要なインサイトを得ようとする

今なおデータの抽出と静的なダッシュボードに依存している企業が数多く存在します。確かに必要なインサイトは得られるかもしれませんが、多くの場合は内容が古く、必要なときにすぐアクセスできない、断片的すぎて信頼できないなどの問題があります。

Dimensional Researchのレポートによると、従来のBIダッシュボードを使用している企業について、次のように報告されています。 

·       インサイトの作成に利用されるデータのうち、86%が陳腐化している

·       インサイトの41%で2か月以上前のデータが利用されている

これは、データの次の10年で優位に立とうとしている企業にとって、大きな障害となります。HBRのレポートで調査対象となった組織の3分の2が、BIと分析を利用した組織の業績向上には、リアルタイムデータの活用とデータの信頼性向上が不可欠であると考えています。

対策

静的なダッシュボードからセルフサービス方式のリアルタイム分析に移行しましょう。カスタマイズされたレポートを何日も待つのではなく、セルフサービス方式の分析によって、組織の全員がリアルタイムのクラウドデータを扱うことができるのです。 

さらにThoughtSpotなどのセルフサービス方式の分析ソリューションを利用するメリットには、データセット、チャート、インサイトのすべてが相互作用できることも挙げられます。グラフのデータポイントについて詳細が必要であれば、ドリルダウン機能でその説明をすべて確認できます。また、リアルタイムデータに対してクエリーを実行できるので、最新情報に基づいたインサイトを入手できます。

データに関する誤り4:土台となるデータ基盤が柔軟性に欠ける 

静的なダッシュボードに依存している組織が多数存在するのと同様に、多くの組織が今なお静的で柔軟性に欠けたデータパイプラインに依存しています。ThoughtSpotでは、これを終わりのない作業サイクルと呼んでいます。 

新しいユースケースが出現するたびに、ビジネスユーザーはアナリストに問い合わせなければなりません。アナリストはデータエンジニアにそのデータをフローに組み込むように依頼します。エンジニアはITチームに新しいデータの検証、管理、保護を依頼して、ようやくモデル化できるようになります。プロセスが積み重なり、ストレスがたまり、費用もかかります。   

対策 

反復と改善が可能な構造やガバナンスを備えた、柔軟性のあるデータ基盤を作成してください。規模が大きいアーキテクチャー内で各製品が適切に構成できるコンポーネントとして機能するように、データスタックは、構成可能なツールを使用して構築する必要があります。適切なツールには、スクリプト化できるインターフェイス(例:TML)があるため、拡張性、プログラム化、再使用、バージョン制御、コラボレーションの面ではソフトウェアエンジニアリングと同じ原則に従うことができます。 

柔軟性のあるデータ基盤を新たに構築する際は、次のようなツールを探してください。 

·       利用中のクラウドデータプラットフォームへの接続が容易である

·       SQLやdbtでデータをモデル化できる

·       新しいユースケースに適合できるデータモデルを構築できる

·       データアプリを組織全体に迅速に導入できる 

データに関する誤り5:サードパーティーデータの可能性を無視する

5年前にできなかったからといって今もできないとは思わないでください。今日利用可能なデータの量そして種類は、5年前のそれとは比べ物になりません。自社データのみに依存すると、事業に対する視野が非常に狭くなります。 

商機も取り逃すでしょう。(データセットの購入かデータ共有の提携かを問わず)サードパーティーデータを取り入れると、顧客に対して、データドリブンの魅力的なユーザーエクスペリエンスを提供できます。 

対策

事業の運営状態の全体像を把握するには、利用できる豊富なサードパーティーデータを活用する必要があります。Snowflake、Databricksなど、クラウドやデータのマーケットプレイスを使うと、信頼できるプロバイダーからサードパーティーデータを入手し、行動に結びつく必要なインサイトを細かく引き出せます。 

外部データの購入は入口にすぎません。顧客が製品に関連して通過するデータタッチポイントをすべて細かく調べます。現在、そのデータを収集しているサードパーティーはどこにあるか、また、顧客向けの有益なデータエコシステムを作るために、サードパーティーと提携できるかを確認してください。 

データに関する誤り6:精彩を欠いたユーザーエクスペリエンスしか提供できない製品を構築する

製品競争が激しい現状では、ユーザーにかつてないほど多数の選択肢があります。このため、製品チームが何か際立つものを作りたいと考えたときは、離れがたくなる魅力的なユーザーエクスペリエンスの構築に力を注がなければなりません。 

B2BやB2Cのアプリや製品に分析ソリューションを埋め込むと、自社製品を競合企業の製品と差別化できる能力や機能を新たに提供できます。実際、分析ソリューションを製品に埋め込んだ企業は、収益の増加、ユーザーのエンゲージメントの拡大、新規顧客の獲得と活性化を確信しています。 

ほとんどのプロダクトリーダーが、埋め込み分析がより魅力的なユーザーエクスペリエンスの構築に役立つと確信していますが、その多くはいまだに行動に移してはいません。Product-Led Associationが調査した製品チームの約半数(45%)が、予算上の制約と市場への投入時間に関する懸念が、製品への分析の埋め込みを阻んでいることを認めています。 

対策

より魅力的なユーザーエクスペリエンスを構築できる機会を見逃さないでください。デジタル製品に分析を埋め込むことで、有益なデータインサイトとカスタマイズされたエクスペリエンスを提供し、顧客を喜ばせることができます。カスタマイズされた分析エクスペリエンスの提供によって、エンゲージメント率と定着率の両方を向上させることができます。 

しかも、ThoughtSpot Everywhereを使えば、これを自身で行う必要がなくなります。このローコードソリューションを使うことで、プロダクトリーダーやプロダクト開発者は、ThoughtSpotを活用した新しいデータアプリを構築したり、ThoughtSpotの革新的な検索機能などのサービスをSaas製品に追加したりすることができます。 

ビジネスの成長をデータに関する誤りで阻止しない 

決定的な次のデータの10年がやってきました。データはかつてないほど大きく、複雑になりましたが、それが意味することもはるかに把握しやすくなりました。

昨今は、行動を促す、私たちの働き方を大きく転換する、カスタマーエクスペリエンスを改革する、現場の従業員に力を与えるといった目的で、データが活用されています。データリーダーとして競合他社を圧倒するには、今がチャンスです。