私たちは今、決定的なデータの10年に生きています。データはこの数年間のテクノロジーの激しい変化を支えており、私たちの購買行動、働き方、ビジネス上の意思決定の方法、そして企業の価値さえも一変させています。
ThoughtSpotの共同創業者であるAjeet Singhは次のように述べています。「一世代に一度だけ、レガシーを創り出すチャンスが非常に増える時期があります。それは、エコシステムに真の地殻変動が起こったときです。今、私たちはそのような時代を生きているのです」。
データの時代において優位に立てる企業を目指している場合、どこから手をつければいいか悩むかもしれません。ご存知のように、クラス最高のテクノロジーを購入し、最善の結果を期待するだけでは不十分です。インサイトをもとに行動に移すには、目指すべきビジョンへの賛同を得て、データを扱う新しい習慣を作り出し、文化的変化を促す必要があるのです。
本記事では、真の変革をもたらす最新の分析戦略を展開する方法について説明します。
最新の分析について最初のユースケースを定義する
大規模なデジタルトランスフォーメーションの場合と同様に、分析へのアプローチを見直すためのユースケースを特定することから始めます。社内のデータにおける次のような最大の問題点について考えてみましょう。
BIチームはユーザーからのリクエストに追われていないか
データアナリストはデータクリーニングにかかりきりになっていないか
見込み顧客や顧客の行動に関して、大きな見落としはないか
そこから、ユースケースのリストを作成します。こちらのユースケースのベストプラクティスに関するガイドが役立ちます。次は、リストを分析してユースケースに優先順位を付けます。
まずは、優先度が最も高いユースケースから始めます。社内の大多数の人に大きな価値をもたらし、なおかつ解決が簡単なユースケースです。具体的には以下が該当します。
そのユースケースを解決するためのデータがすでにある
そのデータはクリーンですぐに使用できる
そのユースケースは既存の技術ソリューションでは解決できない
上記の方法を実践すれば、早い段階で成功を生み出し、より包括的な戦略への賛同を得ることができます。
最新の分析の展開を段階的に計画する
永続的な変化を生じさせるには、ゆっくりとしたスタートを切ることをお勧めします。適切なユースケースを選んだら、エンドユーザーを2つのカテゴリーに分類します。パワーユーザーと広範な組織です。
フェーズ1:パワーユーザー
誰を「パワーユーザー」とするか考える際は、単に技術的なスキルだけを考慮してはいけません。パワーユーザーとは、分析に対する全社的な新しいアプローチを支持し、展開の成功に必要なフィードバックを提供してくれる人たちのことです。理想的には、得られた結果に対して率直に賛同してくれる見込みがあり、なおかつデータの扱いについて十分な知識があり、学習曲線が急峻にならない人を選びます。
フェーズ2: 広範な組織
通常、ユーザーグループは2つで十分です。パワーユーザーが納得し、パワーユーザーからのフィードバックを取り入れたら、チームの他のメンバーに新しい戦略を展開する準備は万端です。最新の分析戦略を確実に導入するには、次の2つの重要な要素を念頭に置く必要があります。
最新の分析を確実に導入する
ユーザーにとってのメリットを考える
新しいツールやプロセスの学習には、時間と労力がかかります。データリーダーの場合、変化に対する抵抗を克服する必要が出てくるでしょう。結局のところ、私たちは既存の仕事を処理するだけですでに手一杯です。たとえば大規模な組織では、ほとんどの従業員の大半が業務関連のアプリケーションを10個以上使用しています。そのアプリケーションはそれぞれ独自のユーザーインターフェイスを備えており、操作方法も異なります。分析の導入率が30%に留まっているのも不思議ではありません。
新しいデータ戦略に従業員の3割以上を参加させたい場合は、従業員が納得するような理由を提示する必要があります。それによる「気づき」が賛同を呼び、「私もやってみたい」という気持ちを生み出します。
ThoughtSpotの最高データ戦略責任者であるCindi Howsonは、最近執筆した記事で次のように述べています。「データドリブンになりたいと望むのであれば、その取り組みを企業の目標だけでなく、個々人の目標にも沿ったものにする必要があるということです。(中略)データにより営業担当者の歩合給が上がったり、生徒を支援する教師の能力が向上する場合には、データ使用は支持を集めるでしょう」。
たとえば、
オンボーディングミーティングで、特に緊急度が高いビジネス上の疑問点を3つ挙げてもらい、新しいデータ分析パイプラインでいかに早く答えが見つかるかを示す
大半のユーザーが必要としているが、これまで入手できなかった(あるいはレポートが手元に届くまでに数週間待たなければならなかった)インサイトを含むユースケースを選択する、などです。
こちらのウェビナーをご覧になり、データリーダーとしての、またはデータリーダーに向けての貴社の現在地をご確認ください。
技術的なリテラシーではなく、データリテラシーに重点を置く
分析スタックの新しいツールの使い方を教えることには、あまり重点を置かないようにしましょう。まず、ユーザーフレンドリーなエクスペリエンスを備えた最新のデータインフラを構築していれば、ほとんどのユーザーはツールの習得に長い時間をかけずに済むはずです。たとえば、Googleで何かを検索できる能力がある人であれば、ThoughtSpotの検索機能を使うために十分な技術的知識を備えています。
その代わりに、データリテラシーの教育に重点を置きます。データを作成、管理、分析、理解、伝達できる能力をチームに身につけてもらうのです。基本的には、私たちはビジネス用語について話しているにすぎません。さまざまなデータ用語の意味、データビジュアライゼーションの解釈、データが意思決定に与える影響などです。
Cindiはこちらの記事で次のように述べています。「データについて批判的に考え、ギャップや偏りがあることを認識できるようにするため、誰もが必要とする一定のフルエンシーの基準レベルがあります」。
大まかな数字になりますが、オンボーディングセッションのおよそ50%を分析ツールの使い方を教えることに充て、もう50%をユーザーにとってデータが何を意味するかを教えることに充てるとよいでしょう。
最新の分析戦略を次の段階に引き上げる
分析戦略を広範な組織に展開したら、次のステップはデータで他に何ができるかを見つけることです。分析を組織の根幹に組み込むにはどうすればよいか、真のデータドリブン企業になるにはどうすればよいかを考えます。
以下にアイデアをいくつかご紹介します。 :
データを習慣にする
行動経済学をお手本に、ナッジ理論を少し応用してみます。新しいツールの使用を強制したり、長時間のトレーニングセッションを強制したりするのではなく、日常業務でデータを活用できるように誘導するのです。たとえば、次のようにします。
自動配信メールを設定して、毎週月曜の朝に、Liveboardの有益なスナップショットをユーザーに共有する
新しいデータインフラによって得られた早い段階での成功の例を、定期的な社内連絡で共有す
表彰制度に「分析を活用してインパクトを促進する」を追加し、非技術系のユーザーによる新しいツールの効果的な使用を表彰する
「データの効果的な使用」を従業員の業務評価の項目として含める
ゲーム的な要素を加える
ゲーム的な要素を加えることは、従業員のエンゲージメント、モチベーション、心理に対して大きな影響があります。
次のようなことを試してみましょう。
最もアクティブなユーザーを対象に、リーダーボードを用意する(検索回数、選択した分析ツールの使用時間、過去1か月間の分析ツールの使用日数など)。なお、ThoughtSpotにはリーダーボードが組み込まれています。
毎週コンテストを開催する。たとえば、ビジネス上の疑問点に対する最も正確な答えを見つけた人、最も早く答えを見つけられた人などを表彰する
社内で「ハッカソン」形式のコンテストを立ち上げ、実際のビジネス課題を解決し、審査員が勝者を選ぶ
「今週の勝者」イベントを開催し、ユーザーがデータインサイトの効果的な使用方法に関するストーリーを共有し、賞品を獲得するチャンスを与える
データを会話に取り入れる
データドリブン企業では、データは毎日、仕事についての話題の一部になっています。分析をデータ専門家のものだけにはしないでください。その代わりに、現場で働く従業員全員が仕事に必要な情報を自分で得られるようにします。
毎週のミーティング、取締役会、経営陣へのプレゼンテーションの場で、データへの支持を表明する。
社内報やニュースレターで、データの活用事例や投資対効果を紹介する。
従業員が提案する際には、直感ではなく、データによる裏付けを求める。分析ツールを社内アプリケーションに組み込む。
SlackでLiveboardsを共有する。データをビジネスの共通言語にする。
今こそ新しい分析戦略を立ち上げましょう
ここまでのアイデアから、インスピレーションは得られましたでしょうか。上記のアイデアを行動に移し、さらにデータドリブンな組織作りを始める準備が整ったら、ThoughtSpotの無料トライアルを始める絶好のタイミングです。すでにThoughtSpotをご利用中の場合は、ThoughtSpotの詳細なガイドでセルフサービス分析でデータドリブン文化を生み出す方法をご確認いただけます。
Adam Ciperskiは、ThoughtSpotの世界的なカスタマーサクセスチームを率いており、ThoughtSpotのカスタマーサクセスとアダプションを担当しています。ThoughtSpotに入社する前は、TeradataとQlikでカスタマーサクセスチームを立ち上げた経験があります。20年以上の企業向けソフトウェアの営業経験があり、Cognosでのカスタマーアドボケートプログラムの開発や、IBMでのカスタマーサクセスプログラム「Solution Advisors」の開発に携わりました。
Adamはマイアミ在住で、妻のCarla、そしてTheoとSofiaという2人の子供と暮らしています。子供が参加するミュージカル、演劇、水泳教室がないときは、次のトライアスロンに向けて水泳、自転車、長距離走に励んでいます。