HP、SnowflakeとThoughtSpotを使って、AIを活用したビジネスインサイトを誰でも取得できる環境を実現

350

SnowflakeとThoughtSpotを使った自動インサイトを活用しているユーザーの数

155.000

6か月間に生成されたクエリーの数

24時間未満

パートナーがHPから返送されるデータを受け取るまでの 時間

内容

イノベーションが人類に対して想像もつかないような貢献をする世界を創り出すこと、それがHPのビジョンです。HPのテクノロジー、すなわちパーソナルシステム、プリンター、3Dプリントソリューションといった製品とサービスのポートフォリオは、このビジョンを推進するために生み出されました。また、ビジョンの実現のために気候変動対策、人権、デジタルエクイティといった課題に対しても最大の努力を続けています。

業種

ハイテク

ユースケース

コンプライアンス

サプライチェーン

モダンデータスタック

課題

HPのパートナーエコシステムは、HPの収益の80%を生み出しています。そのセールスプロセスでは、製品追跡、セルスルー在庫などを目的として、数千のパートナーとのデータ交換が行われます。ビジネスモデルを展開していくには、より多くのデータとデータソースをHPのデータプラットフォームに接続する必要がありました。

HPは、ビジネスの拡大やパートナーエコシステムの構築に効果的ではないBIツールセットに手を焼いていました。BIチームは伝統的なOLAPキューブや、カスタム作成の.NETユーザーインターフェイス、何百件ものオフラインの報告書といったものを扱っており、システムではデータの更新に24~48時間、データの分析にはそれ以上の時間を要しました。新しいデータデプロイに3か月もかかっていたため、利用できるようになったときにはデータが陳腐化しているという状況でした。

BIチームは戦略的なイニシアチブに注力するよりもデータ分析のリクエストに多くの時間を費やしており、ボトルネックになっていました。チームはデータをオフラインのダッシュボードやレポートにダウンロードし、それをExcelやPowerPointで会社全体に配布していました。一方でエンドユーザーは、セルフサービスのソリューションを必要としていました。

ソリューション

そこでHPが選択したのが SnowflakeとThoughtSpot です。ThoughtSpotを利用すれば、誰もがシンプルな自然言語で新しいデータドリブンなインサイトを作成したり、社内全体で誰かが生成したインサイトを発掘したりすることができます。AIの活用によって、ThoughtSpotは単に既知の質問に答える、傾向を検出する、異常やパターンを特定するといったタスクにとどまらず、ユーザーが考えもしなかった新しい質問を提案することまで可能です。

HPは、データをSnowflakeに取り込み、Embraceを使ってThoughtSpotからそのデータにシームレスにアクセスできるようにしています。HPのレポート&分析担当のJuergen Kallinger副社長は、「Embraceはゲームチェンジャーです。Snowflakeにデータを入力すると、どのようなデータでもThoughtSpotで即座に利用できるようになるのです。さらに、ThoughtSpotはSnowflake Data Marketplace内のデータに迅速にアクセスでき、HPの他の事業部門のSnowflakeデータにもプライベートデータ共有を通じてアクセスできます」と評価します。

HPは、BIと分析へのアプローチを変える途上にありました。これまでのバックエンドプラットフォームでは、もはや社内のデータ消費に追いつけないことは明らかでした。そこで選択したのがSnowflakeです。同時に、自動インサイトや大規模な展開に耐えるパフォーマンス、変化する要件への対応力も必要としていたので、ThoughtSpotを選び、Snowflakeと接続するためにEmbraceを導入したのです。まさに完璧なコンビネーションです。
Author
Juergen Kallingerレポート&分析担当副社長HP

HPがまず着手したのは、コンプライアンスと供給管理のデータをSnowflakeに取り入れることです。そのデータはすぐにThoughtSpotで利用できるようになりました。世界のあらゆる場所で販売されるトナーやインクのユニットを追跡するのですから、これは膨大な量のデータです。Kallinger副社長はThoughtSpotにこのデータを処理させ、自動インサイトのメリットを活用しました。次にチームはシリアル番号データを取り込みました。全世界で使われている製品を追跡するデータです。SnowflakeとThoughtSpotは現在、価格設定やビッドデスクの分析、供給管理、パートナーリスク管理、カスタマーパフォーマンス管理、チャネルのパフォーマンスと収益性のために利用されています。

Kallinger副社長は、「私たちはExcelやPowerPointから脱して、直接、ThoughtSpotを管理ツールとして使うようになりました。ビジネス分析チームや市場国別管理チームもThoughtSpotを使って分析を行い、マネジメントレビューに役立てています」と述べます。

成果

社内のエンドユーザーはスピードと柔軟性が得られたほか、セルフサービスが可能になりました。遅れのあるレポートや分析リクエストのボトルネックは、過去の話になりました。HPのユーザーは、迅速で柔軟な セルフサービス分析 プラットフォームにアクセスし、自動生成インサイトを取得しています。これまでに350人のユーザーが利用しており、今後数か月で数千人に拡大する予定です。6か月間に生成されたクエリーの数は155,000件に上ります。Kallinger副社長は、「各事業グループがThoughtSpotをビジネスレビューで使っており、ファイルが更新されたかどうかとか、データが信頼できるかどうかといった質問はもう発生しません」と述べます。

進化を目撃するのはすばらしい経験です。私のチームはダッシュボードの利用をやめました。質の高いデータを、必要なときにいつでもユーザーが利用できることを重視していますが、可視化や分析はユーザー自身に任せています。
Author
Juergen Kallingerレポート&分析担当副社長HP

メリットはHPのパートナーにも及んでいます。「Snowflakeによって、データの更新と処理を迅速に行えるようになりました。ですからパートナーには、データ提出までの時間の余裕が増えたとことを伝えています」とKallinger副社長は言います。パートナーは営業日の終わりまでにデータを提出すれば、次の日にはHPからデータが戻ってきます。時間の節約とプロセスの効率化という成果が、HPのパートナーにももたらされているわけです。

今後の展望

組織全体に対して誰でもデータにアクセスできる環境を実現したHPは、まもなく数千のユーザーにデータアクセスを拡大しようとしています。最終的には全社員にデータアクセス環境を広げることがKallinger副社長の希望です。「オフラインのレポートやオフラインのダッシュボードなど、レガシーツールの大幅な削減を進めているところです。同時に、BIやレポート作成の領域への全体的な出費も削減しています。チャネルデータはHPのビジネスの根本です。組織内の誰もが必要なときにこのデータを利用できるようになるのは、大変すばらしいことです」と、Kallinger副社長は語っています。