Googleスプレッドシートでのデータ分析にThoughtSpotを活用する方法

新型コロナウイルス感染症の大流行を背景に、またアジリティと柔軟性のメリットに着目して、多くの企業がクラウドの利用規模を急速に拡大しています。 

しかし、データに携わる仕事をしている人なら誰でも知っている、できれば隠しておきたいような事実があります。クラウドの価値とは裏腹に、まだクラウドに移行していないデータが大量にあるのです。それは、どこに留まっているのでしょうか?正解は、スプレッドシートです。ビジネスの世界では、スプレッドシートはいまだにメインで使われているツールであり、実績は十分ですが、同時に悩みの種でもあります。Googleがスプレッドシートをクラウド化してこの世界に革命をもたらしたことは、誰もがはっきりと認めています。Googleスプレッドシートでは、作成と共有、そして共同作業を、これまでよりもシームレスに行うことが可能です。

もしあなたが現在ナレッジワーカーであれば、おそらく、毎月20億人にも上るGoogleスプレッドシートのユーザーの1人であることでしょう。しかし、Googleスプレッドシートのユーザーにも、さまざまなスキルレベルの人がいます。 

VLOOKUP関数をあっという間に実行できる、スプレッドシートのエキスパートから、カッコを使った簡単なSUM関数の入力方法を覚えたばかりの初心者まで、ありとあらゆるレベルの人たちがいます。事実、Googleスプレッドシートはどこでも使われているツールですが、誰でも使いこなせるものではありません。単にクラウド化するだけでは、問題は解決しないのです。あるお客様は、「GoogleスプレッドシートやExcelはかなり強力なツールだが、誰でも簡単に扱えるわけではない。データをシートに取り込むのは簡単だが、いったんそこに入ってしまうと、掘り下げたり、アドホックのデータ照会をしたりすることが難しくなるだけでなく、単にグラフやビジュアルコンテンツを作るだけのことも難しくなる」とおっしゃっていました。

そこで、ThoughtSpot for Sheetsをご紹介します。この製品は、ThoughtSpotがGoogleスプレッドシート用に新たに構築した、無料のプラグインです。私たちは、軽量かつシンプルで、データをブラウザー上でストリーミングすることに特化したアプリを作りたいと考えました。目標としたのは、Googleスプレッドシートのユーザーの誰もが、簡単に検索してグラフの作成やデータのビジュアル化をできるようにすること、スプレッドシートのデータを探索するのが「楽しい」と感じられるようなアプリを提供することでした。

そして何と言っても、ThoughtSpotの既存ユーザーである必要はない点です。ThoughtSpot for Sheetsは誰でも無料でお使いいただけます。

さっそく見ていきましょう 😊

導入と開始方法

ThoughtSpot for Sheetsの導入はとても簡単です。Google Workspace Marketplaceで検索すればすぐに見つかります。このページの下方にあるリンクからも見つけられます。クリックするだけで、このアプリがインストールされます。企業に所属されている場合、Google Workspaceの管理者からこのプラグインの承認を得るために、簡単なメッセージを送信する必要があるかもしれません。

まず、データ探索をするGoogleスプレッドシートを開きます。次に、拡張機能のドロップダウンからThoughtSpot for Sheetsを選択し、起動をクリックするだけです。

データモデリングは不要  

念のため、もう一度繰り返します。ThoughtSpot for Sheetsでは、データモデリングは不要です。起動すると、自動的にデータを読み出して識別し、さまざまなタイプ(DATEと各種のMEASURE、ATTRIBUTE)に分類します。これらのタイプがすべて、開いたGoogleスプレッドシートのすぐ上に表示される見やすい方式になっているので、データ探索も簡単です。

検索機能でコンテンツを作成

アプリを起動すれば、検索機能を使ってデータを照会する準備が整います。照会するには、検索バーを使うか、画面の左側に表示される列をクリックします。

ThoughtSpot for Sheetsには、Googleスプレッドシート内で直接実行できる数多くの検索機能があります。その一方で、[top]、[bottom]などのキーワードや、[daily]、[weekly]、[last 2 weeks]などのように、日付を自由かつ自然に素早く表現できる方法も用意されています。

キャッシングはブラウザー側で処理され、必要な残りの計算はPC側が受け持ちます。私たちがデータストリーミングアプリと呼んでいるのは、そのためです。 

もちろん、データの10年において、ブラウザーのスプレッドシートに流し込める膨大なデータ量には限界が来ることでしょう。しかし、心配する必要はありません。ThoughtSpotなら、クラウドデータプラットフォームに移行する準備さえできれば、わずか月額95ドルのTeamエディションで実現できます。

どこからでもデータを掘り下げられる

「アドホック」分析のためにスプレッドシートを参照するのは、実に皮肉なことです。列や行に注目すれば、それだけで簡単に分析を始められると思われがちですが、私たちが最近行った新たな調査によると、70%以上の人が、スプレッドシートのデータを掘り下げるのは非常に難しいと回答しています。 

VLOOKUPを使う必要はありません。ThoughtSpot for Sheetsなら、簡単にデータを掘り下げられます。ThoughtSpot for Sheetsの検索エンジンは、パワフルで軽量なSQLエンジンを採用しています。そのため、データ内のどこからでも簡単に掘り下げられるのです。

ThoughtSpot for Sheetsを起動し、検索クエリーを開始します。

そして、詳しく調べたいグラフの任意のポイントを右クリックするだけです。使用可能なデータタイプのリストが表示されますので、そこからデータタイプ別に掘り下げることができます。

簡単なデータ内ナビゲーション

データ探索は多元的に行う必要があります。そのため、スプレッドシートのデータ内のどこからでも簡単に掘り下げられるようにするだけでなく、掘り下げていく過程を、データ内ナビゲーション制御機能でスムーズなものにすることもできます。

画面右側にある取り消し/やり直しボタンは、ブラウザーのナビゲーションの場合と同じように機能します。そのため、セッション中に、自分がどこまで作業をしたのかわからなくなったり、「気付き」が得られた可能性がある地点に戻れなくなったりすることを心配する必要はありません。

私たちのブラウザーと同じように、スプレッドシートでも数多くのタブが開かれることがよくあります。このアプリを開いたままシート間の切り替えをスムーズに行えるよう、左側にナビゲーションを追加しました。クリックするだけでナビゲートでき、新しいセッションで使いたいシートを選べます。

シートやスライドにピン留め

必要なインサイトを得られたら、使用したデータの共有や共同作業、提示などを有意義な形で行えるように作業を保存する段階になります。これをExcelやGoogleスプレッドシートで行ってみたときの苦労は、誰もが経験したことでしょう。ThoughtSpot for Sheetsでは、これを「Pin to Sheets」と「Pin to Slides」という2つの方法で簡単に行うことができます。セッション中に「Pin to Sheets」を選択すると、データのスナップショットを保存できる新しいタブが開きます(まだ開かれていなかった場合)。

しかし、ほとんどの人は、プレゼンテーションを作成する態勢にすぐ入りたいと思っているものです。「Pin to Slides」を使えば、グラフやビジュアルコンテンツを簡単かつ瞬時に新しいプレゼンテーションに保存できるため、クライアントとの間で、あるいは次回の年次取締役会で共有できます。チームメンバーとの共同作業も簡単になります。

🥁お知らせ:SlidesとSheetsの両方の「ピン留め」機能に関して、参考になるご意見・ご感想をすでに多数いただいています。今後のアップデートにご注目ください。

存在感のないアーキテクチャこそ実用的

皆さんは、ふだん使っている製品のアーキテクチャについて考えることが、どれくらいあるでしょうか。HubSpotやSalesforceを使っている際に、「これはどのようなクラウド上にあるのだろう」と考えたことは、おそらくないはずです。このことはThoughtSpot for Sheetsについても言えます。すべては、ブラウザーを介したクライアントサイドのストリーミングです。 

パートナーとの統合でシームレスに

データをシートに取り込むことは、まったく別の試みになります。この度、これを実現可能にするための新しいパートナーができたことを嬉しく思います。ThoughtSpot for Sheetsアプリは、以下の3つのプレミアパートナーと統合されています。

Googleコネクテッド シート

2022年初頭、Googleは全ユーザーに向けてコネクテッド シートの無料提供を開始しました。これにより、Googleスプレッドシートを使ってBigQueryのデータプラットフォームにライブでクエリーできるようになりました。BigQueryへの接続を構築して、データをGoogleスプレッドシートに取り込んだ時点で、ThoughtSpot for Sheetsを起動してアドホック分析を行うことができます。

Coefficient.io

クラウドデータプラットフォーム(Snowflake、Google BigQueryなど)やSaaSアプリを含め、すべてのソースシステムをGoogleスプレッドシートに取り込み、そのライブデータを活用できるようにする水平型アプリケーションです。ThoughtSpot for Sheetsがシームレスに統合され、Coefficientから送られるデータを検出・識別し、簡単に探索できるようにします。Coefficientの強力なスケジューリングエンジンと組み合わせることで、ThoughtSpotでのスプレッドシートデータの探索と、Coefficientでの新しいライブキューの構築が簡単にできます。

Supermetrics

マーケティングの業務はデータ駆動型の仕事であり、勤務先が代理店であれブランド側であれ、スプレッドシートを日々眺めるような仕事になる可能性が高くなります。幸いにも、このような状況をSupermetricsチームはよく理解しています。ですから、マーケティングアプリのデータをすべてシートに取り込んでアドホック分析を可能にする、素晴らしい方法をご提供できます。ThoughtSpot for Sheetsでは、Supermetricsから送られるデータが自動的に検出されます。そのため、クライアントに役立つインサイトを素早く得て、新たなチャンスを生み出したり、データ内のどこからでも掘り下げて、そのチャンスをものにする次の施策のヒントを見つけたりすることができます。

今使っているスプレッドシートをパワーアップさせる準備ができたら、今すぐアプリをインストールしましょう。ぜひ、ご意見、ご感想をお寄せください。