ThoughtSpot Sageの紹介:AIを活用したアナリティクスにGPTを統合

本日いよいよThoughtSpot Sageを発表いたします。GPTの自然言語処理と生成AIの能力を、当社が特許を持つセルフサービス分析プラットフォームの正確性とセキュリティーに統合した、新しい検索体験をお届けします。今回の統合によって、パーソナライズされた実用的で信頼できるインサイトを、ユーザーがセルフサービス方式で得られるようになります。データチームの組織全体に対する影響力も飛躍的に高まると期待されます。

GPTを統合したThoughtSpot Sageをリリースする理由

毎日インターネットで情報を検索する人は、数十億人ともいわれます。GPT-3などの大規模言語モデル(LLM)の出現で、その情報アクセス体験が根本から変わろうとしています。たとえば、ChatGPTに「蛇口の水漏れを修理する方法は?」と尋ねれば、状況に合わせた水回りの修理の方法を教えてくれるのです。本当にすごいことですね。でも、ビジネスとなるとどうでしょうか。コンテキストが複雑なうえ、現実世界のデータセットは膨大です。適切なガードレールやアプリケーションがなければ、使い物になりません。

もちろん、ビジネス分析に革命を起こすGPTの大きなポテンシャルは、疑いありません。ただ、そのポテンシャルを完全に現実のものにするには、統制された確実な方法でこのテクノロジーを現実世界のデータに応用し、信頼できるインサイトを生成させる必要があります。 

GPTそれ自体では、現実世界のビジネスデータの複雑さを扱うことはできません。検索バーの自然言語のインプットをもとに、極めてシンプルなSQLステートメントを生成するというのがGPTの仕組みだからです。その仕組みが、次のような領域では落とし穴になります。

複雑性:この言語モデルは、複雑なデータの解釈が苦手です。複数のテーブル間のジョインの計算はできませんし、複数の属性に対するクエリーの扱いもできない場合があります。日付関数についてもサポートは限定的です。 

正確性:さらに、解釈された数値計算はたいてい間違っています。このように不正確では、ビジネス分析のユースケースでは信頼性が担保できません。GPTがSQLの結果を生成するケースでも、同様です。生成されたSQLコードが正しいかどうか人の手で確認しなければならないとしたら、ユーザーにとっては面倒なだけでしょう。

双方向性:GPTは、単独のフラットテーブルで実行されたSQLを生成することはできますが、そのアウトプットは単純な静的チャートとして表されます。つまり、ユーザーはデータを掘り下げて根本原因を見つけたり、次に続く質問に答えたりできないということです。

ガバナンスとセキュリティー:適切なインフラがなければ、 誰がどのデータにアクセスできるかについて、GPTは一切のガードレールを持ち得ません。このセキュリティーの欠如は、究極的にはデータコンプライアンスに関係する疑問につながります。今日のデータ重視の産業の多くにとっては極めて深刻な問題です。  

ThoughtSpot Sageの仕組みとは

ThoughtSpotのダイナミックな検索アーキテクチャーをGPTで補強することにより、ビジネスデータに対する自然言語検索がより一層、強力なものになります。検索バーにビジネス関連の質問が入力されると、ThoughtSpotの検索データモデルが適切なガードレールやセキュリティコントロール、物理テーブルに関する情報をGPTに与えます。 

ThoughtSpot Sageは、属性カラム、類義語、指標値、公式、ジョインパス、分析キーワードに関する情報で、GPTのアルゴリズムを補完します。それにより、正確でビジネスに適したSQLステートメントが生成され、複雑な関係スキーマに対して実行されます。その結果、個別のビジネス上の質問に対しても、信頼できるパーソナライズされたきめ細かい回答が得られるわけです。さらに、フィードバックを検索エンジンに与え、検索の質を洗練させることもできます。

AIを活用したアナリティクスでデータの価値を最大限に

ThoughtSpot Sageは、プレビュー版がすでに利用可能になっています。ぜひ、サインアップしてご確認ください。このイテレーションには複数のガードレールがあり、アナリストはそれを使ってビジネスユーザーにとってより価値ある、信頼できるインサイトにすることができます。たとえば、データエンリッチメントをまとめてAIが生成したインサイトにインプットすれば、分析結果の質を改善することができます。ここで、新たに追加された主な機能をご紹介します。

1. AIを活用した自然言語検索

ThoughtSpot Sageに対して、普通に会話をするように質問できます。たとえば「直近2四半期のカリフォルニア州でのチャネルセールスは?」と尋ねれば、ThoughtSpot Sageが質問を翻訳し、適切で信頼できる回答を質問者のデータから見つけ出します。

2. 回答をAIが生成

分析カタログから検索結果の一覧が得られるのも素晴らしいですが、探しているインサイトそのものがピンポイントで表示されたら、もっといいですよね。ThoughtSpot Sageが、最適なビジュアライゼーションの形でカスタムの回答をまとめてくれます。もう自分で探したり作ったりする必要はありません。どこへでも自由にドリルダウンしたり、より深いインサイトを求めて次の質問をしたりできます。 

3. AIを活用した検索候補

どんな質問から始めたらよいか分からないこともありますね。ThoughtSpot Sageは、データの探索を始める第一歩となる複数の質問を提案します。空っぽの検索バーを前に気後れすることはありません。いったん検索が進み始めたら、自分の質問も簡単に続けられます。もちろん、もっと関連性の高い質問を提案するようにAIエンジンを学習させることもできます。

Product screenshot showing ThoughtSpot's AI-powered search recommendations

4. AIが支援するデータモデリング

ThoughtSpot Sageを使って作成する検索データモデルによって、データモデルの信頼性やガードレールはすべてそのままに、AIはこれまでにない速さで質問に回答できるようになります。たとえば、一般的なビジネス用語の類義語(収益と売上など)がすばやく生成されるので、ビジネスユーザーは求めている情報を正確に理解することができます。また、アナリストは類義語を更新することができ、価値あるインサイトに到達するまでの時間をさらに短縮できます。近く発表される新機能として説明文の自動生成があり、ビジネスユーザーは自分が見ているものの意味を正確に把握できるようになります。 

5. 使うごとに賢くなるAI生成のインサイト

ThoughtSpot Sageによって、SpotIQ AIテクノロジーとビルトインの動的検索エンジンにGPTが組み合わさって実現するメリットをすべて活用できます。人間によるインサイトとAIが生成するインサイトの両方を、最高レベルの信頼度で生成することが可能になります。そして人間が関与する機械学習は、システムを使えば使うほど、より賢く、より洗練されていきます。

ThoughtSpotとGPTによる相乗効果

ThoughtSpot Sageによって、SpotIQ AIテクノロジーとビルトインの動的検索エンジンにGPTが組み合わさって実現するメリットをすべて活用できます。人間によるインサイトとAIが生成するインサイトの両方を、最高レベルの信頼度で生成することが可能になります。そして人間が関与する機械学習は、システムを使えば使うほど、より賢く、より洗練されていきます。

今後も最新情報にご注目ください

今回ご紹介した機能は、すでにプレビュー版で利用可能になっています。ぜひ、サインアップして確認してみてください。そして、感想をお聞かせください。今回の機能がメインというわけではなく、まだ始まったばかりです。間もなく、ThoughtSpotの他の領域でもGPTが活用されるのをご覧いただけます。ご期待ください。

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