CDOがチェンジマネジメントのエキスパートを必要とする理由

CDOは、組織がよりデータドリブンになるように統制していく責任を担っています。2021年には、データドリブンの組織と遅れを取った組織との隔たりがさらに広がったため、この使命がより重要となっています。 

多くの組織にとって、これはデジタルトランスフォーメーションの計画を加速させることを意味しています。昨年は、10年の計画が1の計画に圧縮されました。企業は、デジタル決済から店頭、チャットボット、クラウドデータベース、拡張分析ソリューションに至るあらゆる分野で、競って新しいテクノロジーを実装しました。 

新しいテクノロジーを導入したとはいえ、私が会話したCDOは2つに大別されます。ビジネスへの影響によって活気づいている人々と、四苦八苦している人々です。四苦八苦している人々にとって、共通のテーマは、「適切な人材がいない」ということです。適切な人材を獲得し、その変更を管理することが、今日のデータリーダーにとって最大の課題の1つとなっていますが、それは、逆に機会でもあります。 

データタレントに関する厳しい真実

パンデミックによって、私達は多くの過酷な事実に立ち向かうことを強いられています。それは、データと分析の分野でも同じです。多くの人々が長年かけて磨き上げてきたとは言え、廃れたスキルと過去の専門知識はもはや2020年には通用しません。それが厳しい現実です。しかし、無視できないものでもあります。 

世界経済フォーラムの新しいデータによると、回答者の55.4%が、ローカル市場におけるスキルの不足が新しいテクノロジーの導入を邪魔していると述べています。中でもデータサイエンティストとアナリストを見つけることが最も困難であるという回答が得られました。 

このギャップは、プロフェッショナルそのものを超えて広がっており、回答者の41.4%が、適切なデータおよび分析のスキルを備えたリーダーを見つけることができないと述べています。リーダー自身が、デジタルの世界に必要な文化の変化を真に受け入れることに臆病になりすぎている場合があります。現在のFortune 500の面々を10年前と比べてみてください。データドリブンになることを目指している組織にとって、これは大きな課題を表しています。会社の文化を生み出し、そして破壊する責任を、10年前と現在で同じリーダーが担っているからです。さらに、Thought.Leadersイベントでのアンケートによる当社独自の調査が示すように、データおよびデジタル変革リーダーの67%が、真にデータドリブンの組織を構築するうえで、やはり文化が最大の障壁であると答えています。 

それでは、適切なスキル、ワークスタイル、マインドセットを持った適切な人材はどこにいるのでしょうか。謙虚さ、共感力、分析的思考を併せ持ち、敢えてリスクを選好する人々は、実際に希少な存在なのでしょうか。

今のところ、率直な回答は「はい」です。 ;

新しい世界のための新しいスキル

リーダーは、新しいデータドリブンの世界で組織が成功できるようにするために必要なスキルを再考する必要があります。有益さを保ちながら、プロセスと自動化に重点を置くには、分析的思考の優先順位付けと、より的確な傾聴スキルのバランスを取る必要があります。

適切なスキルを備えた適切な人材を獲得するためのオプションは3つあります。

適切なスキルが不足している現在の従業員の数を考慮すると、最初のアプローチは、最も素早く行動に移せるアプローチです。Vodafoneによる最近の調査では、将来に備える企業の60%がこのアプローチを選択しました。 

たとえば、Verizonは、パンデミックを、20,000人超の従業員のトレーニングに投資する機会として利用することを選択しました。将来的に従業員およびビジネスに役立つスキルのトレーニングです。Ernst and Youngは、ビジネススクールと提携して、必要なスキルを習得できるように、従業員向けの無料のプログラムを作成しました。Nationwide Building Societyは、自社のチーム向けに評価および対応するカリキュラムを開発するために15億ポンドを投資しました。 

適切なスキルを配置するだけでなく、古いプロセスを廃止する必要もあります。HBR研究によると、今日組織の成功を強力に後押しする新しい意思決定者である最前線の従業員が分析を行う上で、チェンジマネジメントと導入プロセスの欠如がトップの障壁(44%)となっています。 

これにはどのように対処できるでしょうか。

  1. 近代化戦略の一環として、チェンジマネジメント及び変革を推進するためのリーダーを任命します。必然的に、彼らの主要な優先事項の1つは、古いプロセスを破棄しながら、新しいプロセスを推進するスキルのある人材を強化することになります。

  2. 従業員および人事部門と連携し、プログラムを用いて人材のスキルを評価し、ギャップを埋め、スキルアップするための継続的な計画を策定します。

  3. データに精通した組織の構築をCDOの特権の一部として、データ民主化計画に組み込みます。

  4. 従業員が快く変化を受け入れることができるように、仲間同士での引っ張り合いや感情的な阻害要因を十分に理解します。 

チェンジマネジメントにおいて先頭に立つことは簡単ではありません。しかし、CDOにとって、それは真のデータドリブンによるデジタルトランスフォーメーションを実現するために不可欠な要素です。

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