データドリブンのデジタルトランスフォーメーションとは、クラウドデータとアナリティクスを意味する

昨年、Gartner社はオンプレミスデータベースは今やレガシーなテクノロジーであると宣言しました 。分析とBIについても同じことを言う準備はできていますでしょうか?

なぜ今なのか?

組織はこれまで長年の間、クラウドの機会を認識してきました。ただし、多くはそれを達成するための一貫した戦略が欠けていました。クラウドへ移行する緊急性がほとんどなかったのです。組織は、従来のオンプレミスインフラストラクチャを使用することで、データのニーズを満たし、ビジネスを管理できていました。

ここ数年で、すべてが変わってきました。経済情勢と急速な変化により、組織はデータと分析に「今すぐクラウド」戦略を採用せざるを得なくなったのです。

この変化の推進要因は次のとおりです。

デジタルトランスフォーメーション

デジタルの世界における新しい機会をフルに活用することを目指している組織は、データドリブンによるデジタルトランスフォーメーションへの道を確実に歩んでいます。現在、より多くのデータがクラウドで生成されており、パンデミックが起こる前は、多くの企業がデータモダナイゼーション計画を実行しつつありました。しかし、パンデミックによって、これらの計画はさらに加速されました。Gartner社が実施した取締役を対象とした調査 によると、組織の69%がデジタルビジネス計画を加速させています。 

製品化までの時間の短縮と俊敏性

世界的なパンデミックは特定の業界に打撃を与えていますが、すでにデジタルトランスフォーメーションを開始しており、クラウド化への道のりを歩みだしていた業界では、より回復力が高いことが実証されています。これらの組織は、オンプレミスのアプリケーションとインフラストラクチャのアップグレードと維持を重視する代わりに、よりすばやく移行し、急速に変化するプロセスに機敏に焦点を合わせることができます。より回復力の高いインフラストラクチャとより的確なデータ(内部と外部)を備えた組織は、より迅速に方向転換を図り、先行者利益による恩恵を享受し続けます。

エラスティックコンピューティング

クラウドコンピューティングにより、オンプレミスの場合と比べてより膨大な量のデータを利用した分析が可能になります。オンプレミスでの分析は、1回のみの分析であっても、データインフラストラクチャを需要のピークに合わせて設計する必要があるため、実験的な分析を妨げる可能性があります。クラウドのトレードオフに関する議論の中で、大手金融サービス会社のCDOから、彼の会社が今日実行している 分析は以前は不可能だったという話を伺いました。彼らは、オンプレミスのデータセンターを拡張するための予算や「人手」がなかったわけではありません。クラウドによって、組織は計算能力、分析を追加し、不要になったものを削除したり、定常状態の需要に戻しすることができます。これは、オンプレミスでは数か月から数年かかる可能性があったのに対し、クラウドでは数時間から数日で実行できます。 

IoTと5G:分析の加速因子

第1世代のオンプレミスデータウェアハウスでは、内部のトランザクションデータに大きな重点が置かれていました。IoT(Internet of Things、モノのインターネット)の登場により、データは、車、家電機器、携帯電話、医療機器、スマートメーターなどを含む広範なデバイスから生成されています。グローバルな通信会社が5Gを展開している最中であり、医療からエンターテイメント、製造、スマートシティに至るまであらゆるセクターにおいて、さらに多くのデータがより迅速に生成されます。Seagate社とIDC社の調査によれば、企業データのボリュームは2020年から2022年までに年間42%増加 すると予測されています。このデータを保存し分析する能力は、新しいユースケースを展開し、カスタマーエクスペリエンスを改善し、収益を伸長させるうえで、重要な競争上の差別化要因となります。このように、クラウド、IoTそして5Gが分析にとって台風の目になっています。リーダーはこれらの傾向に先んじて積極的にクラウドに移行しつつありますが、大部分がオンプレミスのままで出遅れている組織は厳しい状況に直面することになります。 

成熟した市場

クラウドデータおよび分析市場は成熟してきており、かつては成熟したオンプレミス導入でしか見られなかったセキュリティ、管理、制御のレベルに匹敵、またはそれを上回るものになっています。なおかつ、すべてが同じペースで進化しているわけではないため、組織は、現在の大手ベンダーからの購入についての考え方を見直し、新しいパートナーシップを構築する必要に迫られています。

 

データの引力に従う

技術的負債は、革新を試みる際に組織が直面する最大の課題の1つです。惰性で現状維持に投資するのは信じられないほどの量があります。データと分析は長い間、オンプレミスにあるビジネスアプリケーションのデータの引力に従ってきました。

それは、Salesforce、Workday、Concur、そしてServiceNowよりも前の話です。

数え上げればきりがありません。IDG社のCloud Computing 2020調査によると、44%の組織がすでにERPおよびCRMアプリケーションをクラウドに移行しており、さらに31%が今後2年以内にその移行を計画しています。また、より多くのデータが、エッジデータストア、クラウドリポジトリ、サードパーティのデータストアなどの外部で生成されています。Seagate社とIDC社の予測では、社内データセンターに保存されているのは、エンタープライズデータの30%のみです。今こそ、データと分析をクラウドに移行するときです。 

既存のレガシーなオンプレミスデータと分析を、組織を束縛するための足かせにしてはなりません。

クラウドに至るまでの混乱

ほんの2年前、私がGartner社のリサーチ部門のVPだった頃、データと分析の成熟度評価を見たときには、組織の大半がクラウド戦略を立てていませんでした。クラウドへ移行する意向はありましたが、アプローチは意図的というより、かなり保守的でした。1つのアプリケーションについて1つのビジネスケースを構築し、通常は、1つの部門によって推進されていました。それから2年後の状況は、クラウド計画を加速するためにデジタルおよびデータトランフォーメーションのリーダーに与えられた権限によって変わってきました。 

それにもかかわらず、移行は簡単ではありません。何十年もかけて蓄積したものを無駄にするわけにはいきません。Hartford社のCDO、Sully McConnell氏は、The Data Chiefポッドキャストで次のように述べています。「かなりカスタマイズされているアプリケーションがあり、それをクラウドに移行するには法外の費用がかかります。移行は困難ですが、私たちはそれを大いに推進しています。最後までやり抜いて、いつかデータエコシステム全体をクラウドに移行するつもりです」

人々の変化の管理と再教育も課題の1つです。組織が、オンプレミスデータウェアハウス向けに設計される方法と、クラウドデータレイク、データウェアハウス、クラウドデータプラットフォーム向けに設計される方法は異なります。

ヘルスケア部門のCDOであるJon Osborn氏は次のように述べています。「データは引き続き問題を抱えていますが、これらの問題のいくつかを実際に解決するにはSnowflakeやThoughtSpotなどの新しいツールが必要です。従来のリレーショナルツールは会社にとって単なる足かせになることがあります。にもかかわらず、それらにかなり固執しています。移行は困難です。25年も前から存在するツールを使用し、人々が25年前の物の考え方をするのであれば、何らかの種類の俊敏性を身に付けることも困難です」

また、無制限の計算能力がある状況で、顧客は誰が高価なクエリーを開始し、彼らがどのように分析を使いこなし、特定のサービスをいつ止めるのかを異なる方法で考える必要があります。あるエキスパートがジョークで「『そのサービスを止めろ』教を信仰しなさい」と述べています。

セキュリティも引き続き懸念事項ですが、大きく履き違えられています。データは最弱のリンクと同程度しか安全ではありません。昨年のCapital One/Amazonのデータ漏えいはクラウドに打撃を与えましたが、データ漏えいの大半はオンプレミスデータストアで発生しており、ずさんなプロセスに起因しています。クラウドは、プライバシーと制御ポリシーを設定する責任から顧客を解放するわけではありません。その違いは、誰が暗号キーを制御するかに加え、さらに大きな違いは認証データや分析のプロバイダーのレベルにあります

どのようにそこに到達するのか

移行するのは簡単ではありませんが、その価値を過小評価することはできません。どのように移行できるかを、以下に示します。

  1. 小さく始める。機密データ以外のクリーンなデータを使って、1. 高付加価値なユースケースから始めます。SnowflakeとThoughtSpotの無料トライアルを使用して、クラウド展開のメリットと、最新のデータおよび分析のメリットをご確認ください。

  2. 再教育、スキルアップ、再設計。データウェアハウスマネージャー、DBA、アーキテクトのスキルアップを積極的に図ります。クラウド展開のセキュリティポリシーとプラクティスを見直してください。

  3. オンプレミスを離れるタイミングと移行するタイミングを特定する。最も付加価値の高いユースケースが何かを評価してください。通常これらは、これまでオンプレミスでの導入ではアクセスできなかった新しいデータです。レガシーなデータストアの場合、移行するもの、移行できるものと再設計が必要なものを評価します。

  4. レガシーなテクノロジーから離れる。レガシーなオンプレミステクノロジーのメンテナンスをアウトソーシングし、最終的には終了させます。

ThoughtSpotでは、お客様が可能なかぎりシームレスかつ有益にクラウドデータと分析に移行できるように全力で支援しています。ThoughtSpotの新しいSaaSサービス、ThoughtSpot Cloudが、クラウドへの移行をどのようにかつてないほど容易にしているか、詳細をご確認ください。