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AI、小麦、そして私達のお金の未来:The Economist誌とThoughtSpotによる新たな調査

これは、2005年にThe Economist誌で発表された「Ears of Plenty」という、小麦に関する非常に大部の記事からの引用です。これは興味深い事実、豆知識、インサイトに満ちた記事で、人の心をつかむ同紙特有の口調で書かれています。The Economist誌の記事の書き方だけが理由で、私は特に興味がないテーマの記事を何百も読んできたといっても過言ではないでしょう。同紙のジャーナリストや編集者は、複雑な主題を、一般の人々が読みやすいシンプルでありながら人を引き付ける物語に変えるすばらしい技術を持っています。

お金に関して言えば、ほぼ間違いなく、今後10年間のAIの台頭よりも重要で複雑なものはないでしょう。よって私は、ThoughtSpotと同誌のコラボレーションによる最新の調査、「AIがもたらす金融サービスの未来」についてとても興奮を覚えています。小麦の話が本質的で理解しにくいのと同じように、AIもそうです。AIは、ベンダー、作家、政治家によって、しばしば戦術的に利用されてきました。

この複雑で非常に重要なトピックに明確さを得るために、偏りのない出版社と協力したいと考えると、The Economist以外に選択肢はありませんでした。

まず2つのシンプルな目標がありました。

  1. 明確で文脈を備え、本質的でありながらも理解しやすいこと

  2. 1つのセクターに焦点を当て、直ちに行動を起こせる内容にすること

計り知れないAIのメリット

私達は日々さまざまな意見に埋もれそうになっています。AIがいかに金融サービスに影響するかについて大量の記事が見つかり、それぞれが異なる結論を出しています。

業界のリーダーがAIからどのような結果を期待できるか、数量的な見解を出したいと私達は考えました。業界セクターや国によって差はありますが、1つの結論は極めて明白でした。AIは金融サービスを変革します。AIを採用する企業は大きな利益を享受し、大きな成長を遂げます。AIを採用しない企業は崩壊に瀕する可能性があります。 

コスト削減から従業員の生産性向上、顧客サービスと顧客満足度の向上まで、バックオフィスから最前線にいたるビジネスのあらゆる領域において、金融サービスのリーダーにはAIによる膨大なメリットが見えています。

AIアプリケーションにより差がある注目度

今週、セントラルパークで犬の散歩をしていた女性とバードウォッチングをしていたサイクリストの間に発生した衝突が、ほんの数時間で米国中のニュースになりましたが、女性の雇用者である全米規模の投資銀行は、この事件に24時間以内に対応する必要がありました。

私達は身近なイベントがほんの数分で、ソーシャルメディアを通じて世界中のニュースになる可能性のある世界に生きています。これは前例のない時代です。世界はこれまでにないスピードで動いています。企業が、より迅速に責任を持って行動するために、予測分析や機械学習のようなAIアプリケーションを検討しているのは驚くべきことではありません。実際、The Economist誌が調査した金融サービス企業の半数以上がすでにこれらのテクノロジーを使用し、これまでにない新しい成長の機会を活用しています。

アジア太平洋地域がリード

金融サービス企業がすでにAIを使用していることは調査で明らかですが、その使用方法と様相は地域によって異なります。

46億の人口を抱えるアジアは、人口が最も多い地域というだけではなく、年齢の中央値が32歳という世界で最も若い人口を擁する地域でもあります。何十年にもわたってアジアの国々は国民の教育と社会経済的地位の向上に投資しており、その結果が現れてきています。調査によると、アジア太平洋地域の国々はAIアプリケーションの重要性をよりよく理解しているだけでなく、適切な利益を得るための投資を構築してきました。

すでにアジア太平洋の半数以上の企業が、研修および再教育プログラムを導入して、組織内でのAI導入と使用をスピードアップしています。これに対し、ヨーロッパは10%、北米は15%遅れをとっています。

アジアが経済的に成長する中、北米とヨーロッパの金融サービス企業が競争力を維持するには、テクノロジーの観点と研修の観点の両方からAIへの投資を増やす必要があります。

AIの導入を妨げているものは何か

企業は全体としてAIによってもたらされる利益を認識してはいますが、その導入には現実の障壁があります。リーダーはセキュリティについて懸念しています。AIによって、銀行は予測しないようなリスクに晒されるのではないかと。テクノロジーのリスクはどうでしょう。AIシステムが生成する情報を信用して、自信を持って使用し、ビジネスを導けるでしょうか。

AIの導入を検討するビジネスにとって、これらは深刻な懸念事項であり、それは当然のことです。組織でAIを利用するには、プロセス、研修、そして文化に根本的な変化を必要とします。そのような変革には、失敗の可能性もつきものです。しかし調査が示すように、AIのもたらす機会とメリットはそれらのリスクに十分見合ったものです。金融サービス機関は、これまでのやり方で業務を続けることはできません。これまでのやり方を続ける企業は、勇気をもってAIを導入した企業の挑戦を受け、業務に混乱が生じるのを待つことになります。そして顧客により良い経験を提供するそのような企業にとって代わられることになるでしょう。

ぜひ調査レポートをご覧ください。このブログではカバーできなかった多くのインサイトを見つけることができます。それらのインサイトは、AIがもたらす変化についてあなたやあなたの組織が準備するために役立つだけでなく、より俊敏で、インテリジェントで、顧客中心のビジネスを構築するために役立つでしょう

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