オムロンヘルスケア、ThoughtSpotで
データ探索工数を60%削減

会社概要

オムロン ヘルスケア株式会社は、世界130か国以上でバイタルセンシングデバイスおよびサービスを展開し、人々の健康管理を支援しています。中でも血圧計は、グローバルで累計販売台数4億台を突破するなど、世界中の多くのユーザーに利用されています。

同社は、バイタルセンシング技術を通じて個人の健康状態を定量的に可視化し、健康管理活かすことで、健康寿命の延伸と健康的な生活に貢献してきました。さらに、データを通じて、個人の状態に合わせたより良い健康管理支援の実現を目指し、技術開発を推進しています。

業界

ヘルスケア
バイタルセンシングデバイスと健康管理サービス

モダンデータスタック

Google Cloud (BigQuery)
ThoughtSpot (TSA / Spotter / Analyst Studio)

主な成果指標

  • 簡単なデータ探索の作業時間を60%削減
  • 繰り返し発生していたデータ確認作業をゼロに
  • 事業活動に役立つ情報がある部門という認知が進み、関連部門との連携が活性化

課題

同社の技術開発統轄部 解析技術開発部では、自社サービスや健康関連測定デバイスのデータ分析を担っています。ビッグデータの活用促進に向け、2019年よりGoogle Cloud上にデータ基盤を構築し、BigQuery(SQL)やPythonなど多様な手段を用いた統計解析、信号処理、機械学習による分析を行ってきました。これらの分析成果は社内に共有され、他部門からの分析依頼も徐々に増加していきました。

一方で、既存の環境ではノーコードでのデータ探索や集計が難しく、担当者ごとに使用ツールが異なることから、データやコードの共有・標準化に改善の余地がありました。そのため、依頼のたびに担当者が都度コードを記述し、グラフを作成してPPTへ貼り付ける、という形で分析・レポーティングを実施していました。

その結果、

  • 依頼増加に伴い担当者の負荷が高まり、メイン業務の時間が圧迫される
  • データ探索に時間を要し、簡易な分析でも担当者対応が必要となる
  • 過去の分析結果が十分に共有されず、同様のグラフを再作成するケースが発生する
  • 日々更新されるデータに対し、分析結果の即時反映が難しい
  • エンジニア/分析担当者以外がデータにアクセスできる環境がなく、 関心の広がりが限定的になる

といった状況が生じていました。

特に、他部門からの依頼増加により、技術開発部門内の連携を円滑にし、分析担当者が本来注力すべき分析・研究業務に時間を割ける体制整備が求められていました。

解決策

担当者の作業効率化と、エンジニア以外の部門も巻き込める分析環境の検討を行いました。
そこで、対話的データ分析に強みがあり、直感的に使えるユーザビリティを重視しThoughtSpotの採用を決定しました。

導入後は、よく参照される指標や問い合わせの多い内容をダッシュボードとして常設し、必要なときにすぐ確認できる環境を整備。

さらに、自然言語検索により、コードを書かない社員でも「知りたいこと」起点で自らデータ探索を行えるようになりました。

主要機能

  • Liveboard(ダッシュボード)
    機器の測定回数や利用状況など、よく参照される指標を可視化。必要なときにすぐ確認できる環境を整備しています。
  • 自然言語検索によるデータ探索
    プログラミング言語の知識がなくても操作でき、コードを書かない社員でも「知りたいこと」起点でデータへアクセスできる環境を実現しました。

インパクト

ダッシュボードを常設したことで、分析担当者はソースコードを都度実行することなくデータをモニタリングできるようになり、繰り返し発生していた確認作業は不要になりました。

簡単なデータ探索であれば、従来は1〜2分かかっていた作業が、ThoughtSpotでは10〜20秒ほどで完了します。体感としては半分以下になり、作業時間は約60%削減できました。
Author
藤田 和真氏解析技術開発部 一般職、オムロン ヘルスケア株式会社
さらに、ダッシュボードによる定点観測が可能になったことで、これまで都度実行していた確認作業がゼロになりました。
Author
藤田 和真氏解析技術開発部オムロン ヘルスケア株式会社

さらに、データの可視化が進んだことで、解析技術開発部は技術開発統轄部内をはじめ社内で「知りたい情報がある部門」として認識されるようになりました。これまで接点の少なかった広報や新規事業部門などからも問い合わせが寄せられるようになり、データ活用のフェーズが次段階へと進み始めています。

その結果、社内コミュニケーションが活性化し、分析結果を社内外へ発信しようとする動きも生まれました。

売り上げといった最終指標だけでなく、デバイスの利用状況やアプリ接続率などの“中間指標”をモニタリングしようとする動きも生まれ、よりデータに基づいた意思決定を支える基盤として機能し始めています。
Author
小清水 宏氏解析技術開発部オムロン ヘルスケア株式会社

今後の展望

今後は、各種研究開発プロジェクトにおけるデータ取得状況の管理など、研究開発の運営面への活用も視野に入れています。 将来的には、解析技術開発部が作成したダッシュボードを共有するだけでなく、各部門が自らダッシュボードを作成し、対話型分析を通じて必要な洞察を得られる環境の実現を目指します。 また、自社で取得したデータを資産として活用し、研究開発の定点観測などへの展開も見据えています。ThoughtSpotを 単なる業務効率化のためのツールにとどめず、研究開発で得られた知見の社会還元につながる基盤として活用していく考えです。